毎年、桜の季節になると「ENGAGE」
を思い出します。とても沢山の桜を描く
ために、近くの大学まで写真を撮り
に行きました。執筆の時期と開花
の時期が重なって、本当に助かりました。
しかし覚悟はしていたものの、10ページ
に及ぶ桜を描くのは大変でした。描き
ながら、「そうだ、連載の終わりに桜描
いた時も(もう2度と描かないぞ、こんな
面倒くさいもの!!)と思ったんだった」
などと思い返していました。しかし、桜が
作品の主要なモチーフなのだから、描かな
い訳にもいかず、タメ息をつきながら
何とか描き上げたのでした。それにしても
作品枚数67ページ!!…ネームを描き
上げた時には、自分でも絶句してしまい、
「止めようかな」と思いました。実は少し前に
読み切りの依頼があったので、恐る恐る
「『星の瞳』の続編でもいい?」と聞いた所
担当様は「…まあ…いいんじゃないかな」
と言って下さったのです。しかし、描いてみた
ら67ページ。しかも秋の号なのに新学期。
別の用事で電話を下さった副編集長様
に「桜が山程出て来るんですが、駄目
でしょうか?」と聞いてみた。「終わりに秋
っていう風にはならない?」と言われ、
「ならないんですぅ」「…まあ面白けりゃいい
んじゃない?」寛大なお答えに心配も消え
ました。かくして作品は無事に掲載され
たのです。それにしても、描くのはものす
ごく大変でした。当時、別に連載を抱えて
いたからです。合い間、合い間に半年か
けて描き上げました。ネーム1か月、下絵
2か月、ペン入れ2か月、仕上げ1か月。
……なんとも想い出深い作品です。
ENGAGE P.145より