「りぼん」で新人漫画賞をいた
だいた時、入賞した作品は、『トロイ
メライの風にのせて』という32Pの
小品でした。いつかもう少し画力が
ついたら描き直してみたいと、ずっと
思っていました。そうして6年後、
描き始めたのが『銀色のハーモニー』
です。勿論、最初の読み切りとは
話も全然違いますが、モチーフとして
使った「ピアノ」「ピアノの弾ける男の子」
「トロイメライ」「”海”という名前」の
4点はそのまま生かしました。
新たに描き始めるにあたって、
「どれどれ、問題の作品を読み直して
みるか」と押入でほこりをかぶった
まま放置されていた原稿をとり出して
みると、いや〜、絵が全然違う!
(当たり前だ)過去の作品を見返す
のって、ものすごく恥ずかしいんですけど、
プロになる前のものなんて、はっきり
言って目も当てられない。誰もいな
いのに、思わずひとりで赤面してしま
いました。でも一生懸命描いてた
あの頃の思い込れみたいなものが
画面から甦ってきて、なんとも懐しく
なりました。「初心を忘れず」と言う
けれど、商業社会の厳しさの中で
自分の持っていた大切な何かを
置いてきてしまったような気がします。
まあそんな訳で、私の勝手な
思い込れと共に始めたこの作品。
画力がついたとは、まだまだ言えない
まま描いていますが、どうぞ最後まで
おつきあい下さいませ。(音符マーク)
銀色のハーモニー・4巻 P.57より