読者の方によく聞かれるのが
「これは先生が実際に体験
したことなんですか?」ということ。
何を描いてもそう聞かれるので、
その度に「まさか!こんなドラマチック
な人生経験してたら、今ごろ漫画
なんて描いてないわよ。」と思います。
自分自身、「こうなったらいいな」とか、
「こういう関係って面白いな」とか、
基本的な憧れみたいなものが
あるから描けるのです。実際に自分
が体験した事なんて、恥ずかしくて
とても私には描けません。
学生時代を過ぎてもうずいぶん
経ちますが、ふり返ってみて、初めて
見えてくるものが沢山あります。
その時を生きる事で精いっぱいだっ
たあの頃、見えていると思っていた
回りの事が、実は何も見えてはいな
かったのです。作品を描いていると
どうしても自分が中学生だった頃
を思い出してしまいます。現在を
生きている中学生達とは、きっと違う
事も多いんだろうな。と思いつつ、
私の中の中学生を描き続けて
います。でもいただいたお手紙
を読んでいると、考え方とか興味の
対象とか、やっぱり基本的な所は変
わっていないみたいで、なんだかホッ
としました。時代は変わっても同じ
思春期の人間ですものね。
銀色のハーモニー・4巻 P.105より