プロローグ


           本の好きな少女がいました。



           物語の本を借りに、毎週のように図書館にかよってい

          たその子は、大きくなって少女マンガ家になりました。

          ある時、デパートで不思議な人形に出会いました。正装

          した灰色の猫の人形です。とても気に入ったのですが、

          高価すぎるので買うのをためらいました。いったんは諦

          めて家へ帰ったのですが、どうしても忘れられません。

          思いなおして、その店へ行ってみたら、ガッカリ、もう

          売れてしまっていました。



           ところが、その人形は彼女の元へやって来たのです。

          店で一緒だった青年が、プレゼントにとこっそり買って

          くれていたのでした。彼女はその青年と結婚しました。

          こうして、「耳をすませば」のマンガが生まれるキッカ

          ケがそろいました。本好きの少女が、猫の人形と出会い、

          夢を追う少年と出会う物語です。


                                      映画『耳をすませば』より

                                        「バロンのくれた物語」の物語より


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